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企業を訪ねて株式会社ヤマナミ2012年4月7日号掲載
発想力で時代をさきがけ
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市場占有率40%を実現した「ヤマナミ」の高速水着「バイオラバーKOZ」。現在は、体幹矯正システムを搭載した新シリーズが誕生 |
静岡の一企業でありながら、全国の水泳関係者の熱い視線をひきつけるのが、水泳用品の企画、製造、販売を手がける「ヤマナミ」
「私たちは、大手メーカーのすき間をぬい、発想力と品質で勝負してきました」と話すのが、常務取締役の森千秋さんです。
同社は、昭和60年に総合スポーツ店として誕生し、3年後には水泳専門店に転向。「ところが水泳業界は年2回ニューモデルを発表するため、設立当初は、すぐに型が古くなってしまう水着の在庫に悩まされました。そんな中から、それまで例のなかった水泳大会場での移動販売″を企画し、業績を軌道に乗せることに成功したのです」。
今や移動販売車両15台が年間600カ所での販売″を展開し、全国に3店舗、5営業所を開設。移動販売で消費者の要望をじかに知り、商品開発につなげたことが、快進撃を促しました。
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いずれも国産初の開発となった、ミラーゴーグル(下)と、プリントメッシュキャップ |
「こんなの欲しかった!」国産初のヒット商品群とは
「当社の商品開発を進めた原動力は、発想力にあった」と、千秋さん。大学で工業化学を専攻し、大手広告代理店の勤務経験を持つ森社長にとって、商品開発はお手のもの。平成5年、最初に開発した「ノンクッションミラーゴーグル」は、同社の名を全国にとどろかせる大ヒット商品になりました。
続く開発は平成11年の、はがれない「プリントメッシュキャップ」。当時、メッシュキャップはプリントがはがれるのが当り前でした。それを、新手法により定着させることに成功。奇抜なデザイン提案も加わって爆発的なヒットになり、累積200万枚の販売実績を今も伸ばし続けています。
そして4年前。高速水着「レーザーレーサー」が脚光を浴び始めていた6月、これを上回る高速水着を日本で開発し、8月には販売開始するという驚きのプロジェクトに参画。当時レーザーレーサーは未発売だったため、完成した「バイオラバーKOZ」は、スイマーの圧倒的支持を受けたのです。
最近では、水着の撥水性を復活させる「撥水剤」や、体幹の姿勢をサポートする「KOZ」新モデル(実用新案申請中)、平泳ぎ練習用足パドルなどを発表。ますます注目を集めています。
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靴は、高性能の「ミズノ」製。1時間ほどをかけて、その人にあったインソールを作成 |
昨年から靴″にも注目ヤマナミ新基準で商品開発を
昨年から新事業として、千秋さんを中心にした「ウォーキングシューズ」の販売を開始しました。
「私自身がフットケアトレーナーの資格を取得し、歩く″という基本動作を支える靴の提案を積極的に行っています。コンピューター足型測定機を使用して、お客さまの健康状態を、より改善する靴の提供とオーダーインソール(中敷き)を作成しています」。注目は、インソール作成後、一定期間を置いて再度計測、改善状況にあわせ無料でインソールの修正を行う(増やす場合のみ追加料金)というもの。「購入のきっかけは『商品力』ですが、決めては売り手の『人柄』でありたい。お客さまに合っていない商品は売れないです。今後も謙虚な姿勢で新商品を開発していきたいですね」
◆ 森 啓さん ◆ 株式会社「ヤマナミ」代表取締役。大手メーカーが目をつけないところでの商品開発でヒットを連発。常務取締役の千秋さんは長女 |
小倉屋株式会社 所在地/静岡市駿河区下島324 TEL:054(238)3116 創業/昭和60年 資本金/ 2000万円 代表者/森 啓 従業員数/ 39人 事業概要/水泳用品の企画・製造・販売 http://www.mizugiya.com |